執行官はつらいよ〜命がけ!粗暴な高齢者編〜

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事件概要

血気盛んな高齢者です。

所有者A
所有者A

本件債務はもう済んでいると当時頼んでいた弁護士から聞いている。

競売になるようなことはない。

裁判所の方でもわかるだろう。

何しに来た。

家の中に入ることは絶対に許さない

そのようなことをすればやってやる。

こっちは命がけなんだ。

家は命がけで守り抜く

なるほど、穏やかではないですね。

所有者の妻B
所有者の妻B

現在、建物には、私と所有者である夫が住んでいます。

主人は、心臓が悪いのと、高齢ですので、それなりの病気があります。

言い出したら興奮して治らないことがよくあります

私の言うことは聞きません

本件債務については、当時頼んでいた弁護士からは、やはり済んだと聞いています

支払った金額についても9万円ではなく、もっと支払ったと記憶しています。支払いは私の通帳から債権者のところに振り込んで支払っていました。

確かに、奥様の言う通り、言い出したら興奮して治らないようです…。

資料の写真に堂々と所有者or債務者が写り込むことは珍しいです。

追い返され、塩を撒かれた執行官

3点セットと呼ばれる競売資料には、執行官の苦労が記載されていました。

執行官
執行官

令和元年7月16日

物件調査、写真撮影(外観)、所有者と面談(所有者は、債務の存在を否定、書類等の受取を拒否、当職を追い返し、塩をまく等の行為をした。)

 

令和元年8月20日

所有者は、当職及び評価人の立入を頑なに拒否し、抵抗したので、岡山南警察署長に援助を依頼し、同行していた同警察署警察官3名に抵抗を排除してもらった上で、立入調査を行った

競売ハンター
競売ハンター

いや、塩撒いてどうすんのwww

それにしても、ここまで抵抗されてもきちんと立入調査した執行官は素晴らしいと思います。

きちんと物件の内部まで調査してもらうことで、債権者のためになるのはもちろんのこと、この反抗的な債務者のことも守ることになるわけです。

さて、これらの調査を経て、執行官はこのようにまとめています。

執行官
執行官

所有者は本件債務名義の債務については、弁済する等して済んだ等と述べ、競売手続は関係ない旨、強く主張して、当職らの調査に応じる気配は全くなかった。

当職の説明等に耳を傾けることなく、訪問を拒否したり、書類の受取を拒否したりしておけば、競売されないと誤解している等、手続を理解できていない可能性がある

したがって、競落後についても、同様の頑なな対応が予想される。

高齢ではあるが、粗暴な面があるので、留意されたい

競売ハンター
競売ハンター

最後の一言から、執行官の苦労が垣間見えます。

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勘違いで激昂する債務者は案外多い

今回の事件では、激昂する所有者の様子が細かく記載されていました。

執行官が相当ムカついたので、資料に書いて発散しているのかもしれません

競売の手続きについてある程度知っていると、所有者の言い分の方が間違っていることは明らかなわけですが、私の経験上、手続きを理解していない人間ほど感情的に怒鳴り散らす傾向があると思います。

今回の所有者もそうです。

執行官
執行官

当職の説明等に耳を傾けることなく、訪問を拒否したり、書類の受取を拒否したりしておけば、競売されないと誤解している等、手続を理解できていない可能性がある

執行官のこの言葉の通り、所有者は手続きを理解していません。

強制執行の関連で言うと、訪問や書類受取の拒否は、一時的な時間稼ぎにはなるかもしれませんが、最終的に自分の首を締めることになります

今回の事件でも、『所有者は債務を弁済し終えている』と競売の立入調査で語っているわけですが、そこで言っても遅いんです。

裁判所も、債務名義を出す前に、債権者だけの言い分でなく、債務者の異議を受け付ける手続きを設けています

そこで異議が出なかったから、債権者の申し立ての通りの債務名義が取得されたわけです。

その権利を放棄していたのにもかかわらず、単に調査に来ただけの執行官に対して激昂するなど、お門違いも甚だしいと感じてしまいます。

筆者の経験を紹介

かく言う私も、お門違いの暴言を吐かれたことのある一人です。

以前、勤めている会社の仕事で、売掛金の回収をしなくてはならなかったのですが、どうもその会社からの回収が難しそうでしたので、その会社に対して債務のある会社(第三債務者という)を巻き込んで『債権差押』という手続きをとることになりました。

債権差押とは、債務者が第三債務者に対して有する債権を差押える、つまり第三債務者から債権者が直接(債務者を飛ばして)債務の弁済を受けるという制度です。

第三債務者からすると、支払う金額は変わらずに、支払う相手が変わるだけです。

しかし、何を勘違いしたか、私が電話した瞬間に第三債務者がとんでもない勢いで怒鳴り散らし始めたのです。

第三債務者
第三債務者

テメエ、どこの誰だよ!?

何が裁判所の差押だ!?

そんな脅し聞かねえよ!

お前に金を払う筋合いなんてない!

競売ハンター
競売ハンター

いやいや、、、

確かに、弊社と債務者のトラブルに御社を巻き込んで申し訳ないと思っているのですが、別にあなたに何か恨みがあるわけでもないですし、、、

とりあえず、また振込先について連絡しますね。

で、後から分かったのですが、この第三債務者は、各方面に対して滞納している債務がたくさんあったようで…、それで『差押』という言葉に過敏に反応したのでしょう。

このとき感じたのですが、全く言われのないお門違いの内容であっても、誰かに怒鳴られるというのは、相当なストレスになるんですね。

あんまり人に怒鳴られた経験がなかったので、これは正直、メンタルに来たのか、その日の夜に第三債務者に怒鳴られる夢をみました笑

競売ハンター
競売ハンター

3点セットに載せないだけで、執行官は色んな人に怒鳴られたり、難癖つけられたりしているんだろうな、なんてことを今回の資料を読みながら想像していました。

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競売ハンターの日常

コメント

  1. […] […]

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