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事件概要
もしかしたら、このような勘違いをしている債務者は多いのかもしれません。
所有者と執行官のやりとりを見てみよう
まずは、所有者と執行官のやりとりを見てみましょう。
物件2の建物については、物件1の土地の西側に隣接する私所有の273番1の土地にまたがって存在している可能性があります。
このまたがって存在していることについては、落札後争いになると困りますので、争いにならないようにしていただきたい。
こちらが、問題の箇所の写真です。
確かに、境界は判然としないですね。
物件1の土地と西側隣地は、貴方が所有する土地なので、境界がどこなのか言えないですか?
正確な図面がないので言えない。
裁判所が競売にするのであれば売り手である裁判所がきっちり測量をすべきではないのか。
裁判所は、測量等はしない。
境界等が不明確であれば、不明確な物件として売却に付することとなる。
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強情になると損をするのは自分!?
皆さんは、この所有者と執行官のやりとりを読んで、どう感じましたか?
私は『この所有者さん、自分で自分の首絞めてるなぁ』と思いました。
まず、所有者が裁判所を『売り手』と言っていますが、これは明らかな勘違いです。
確かに、競売の手続きは裁判所に申し立てられて進みますし、所有者に陳述を求めるのは、裁判所から来た執行官なのですが、それはあくまでも法に則った解決のために裁判所が手伝ってくれているわけで、裁判所が売主というわけではありません。
また、競売で不動産が売却されれば、その代金から、債務者の債務を返済して、さらに余った分は戻ってくるのですから、売主は所有者に違いありません。
したがって、裁判所に全部任せてしまえ、という考えではなく、あくまでも自分の資産を売却するんだ、というつもりで望むべきだと私は思います。
たとえ、それが競売という不本意な形での売却だとしてもです。
一般に、境界がはっきりしない物件は、買主が躊躇しますから、このような陳述を見ると、入札は減ってしまうでしょう。
今回の所有者としては、競売後に争いにならないように、境界を裁判所に決めて欲しかったようですが、執行官が答えたように、裁判所がそのようなことをすることはありません。
境界は万が一に備えて、日頃からきちんと確認しておきましょう。
競売に限らずあらゆる不動産の売却において、少しでも高く売るためには、境界をきちんと確認しておくことは非常に重要です。
『私は大丈夫』と思ったあなた。
あなたは大丈夫でも、お隣さんが競売になることだってあるんですよ。
最後にもう一言。
陳述を読む限り、勘違いをしているだけではなく、やや強情な人なのかな、という印象を受けます。
自宅が競売になり、やや自暴自棄になっているのかもしれません。
しかし、そのような態度をとって、損するのは自分です。
自宅が競売になるというのは、少なからずショッキングなことですし、感情的になってしまうことも理解できるのですが、制度のこと、法律のことを知らずに的外れな思い込みで自分の利益を減らしてしまう行為は避けたいものです。
人の振り見て我が振り直せ
これがこのブログのキーワードです。
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