不動産登記の『公示力』と『公信力』違いがわかりますか?

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登記は何のためにするの?

不動産投資と切っても切り離せないのは、不動産登記です。

土地や建物の情報や権利関係について知りたいとき、基本的には、登記簿謄本を見ればわかります。

また、不動産を売買したときは、必ず登記をするかと思います。

ところが、登記の情報を見る際に気をつけないといけない点があります。

それは、日本において登記には公示力はありますが、公信力はないということです。

これは、少し複雑で分かりにくい概念ですが、とても重要なので、しっかりと理解しておく必要があるでしょう。

競売ハンター
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私も初めてこの話を聞いたとき、ちんぷんかんぷんでしたw

本論に入る前に、不動産登記について確認しておきましょう。

法務局のページを見ると、このように定義されています。

不動産登記
不動産登記とは,国民の大切な財産である不動産(土地や建物)の一つ一つについて,どこにあって,どれくらいの広さがあって,どなたが持っているのかといった情報を,法務局の職員(登記官)が専門的な見地から正しいのかを判断した上でコンピュータに記録することをいいます。
この登記をすることによって,不動産に関する情報が公示されることから,国民の権利の保全が図られ,また不動産登記の取引の安全のためにも役立っています。

http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/goannai_index_fudousan.html

まず、公示力について理解しよう

日本の民法は意思主義を採用しています。

つまり、当事者の意思表示によって、契約が成立するのです。

契約によって、例えば所有権が移転したりすることを、物権変動と言いますが、当事者間の意思表示だけでは、第三者に対して物権変動を示すことができず、不便です。

そこで、登記によって、物権変動を公示することにしています。

「登記に公示力がある」とは、登記が第三者への対抗要件となりうるということです。

対抗要件とは、第三者に対して権利を主張する条件のことです。

すなわち、登記をすることによって、第三者に対して権利を主張することができるようになる、ということです。

競売ハンター
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ちなみに、契約の当事者は第三者ではないですから、登記をしなくても対抗できます。

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次に公信力について理解しよう

公信力とは、登記の内容こそが真実であるとみなす効力です。

そして、日本では登記の公信力はありません

競売ハンター
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ここで「日本では」と表現したのは、海外(例えばドイツ)では、公信力を認めていることがあるからです。

公信力が重要になってくるのは、実際の権利関係と登記の内容が異なる場合です。

例えば、売主Aと買主Bの間で、土地を売買したとします。

ここで、売買契約が成立してから所有権移転登記が完了するまでの期間を考えてみましょう。

日本の民法は意思主義を採用していますから、売買契約が成立した段階で、所有権は買主Bに移ります。

しかし、登記の内容は、所有権は売主側に残っていることになります。

つまり、実際の権利関係と、登記上の権利関係が異なっている状態が一時的に生まれるわけです。

「登記に公信力がない」というのは、このような場合に実際の権利関係を優先して、買主Bに所有権があると考えるということです。

ただし、そのままでは買主Bは第三者に対抗できませんから、売主Aに対して、登記をすることを請求できるわけです。

他にも、実際の権利関係と登記の内容が異なる場合として、

  • 脅迫されて不動産を売却し登記した場合
  • 相続した財産を登記していなかった場合
  • 地目の変更を登記せずに土地を使用している場合

なんかが考えられるかと思います。

今日のまとめ
  • 公示力とは第三者への対抗要件になるということ
  • 公信力は内容こそが真実であるとみなす効力のこと
  • 日本の不動産登記では、公示力はあるが、公信力はない

例外は通謀虚偽表示!

※ここからは余力のある人向けです。

日本の民法では、登記に公示力はありますが、公信力はありません。

しかし、例外があります。

それは通謀虚偽表示です。

通謀虚偽表示については、こちらでもまとめています。

簡単に説明しましょう。

AとBが通謀して所有権移転登記をしたとします。

競売ハンター
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「通謀して」とは、「グルになって」「示し合わせて」という意味です。

つまり、実際には売買をしていない土地について、売主A・買主Bとして所有権移転登記したとします。

このとき、登記に公信力はありませんし、実際には物権変動がなかったわけですから、この意思表示は無効になります

ところが、買主BがAを裏切って、善意の第三者Cに土地を転売したとします。

このような場合に限っては、登記の内容を信じた善意の第三者Cを保護するため、通謀虚偽表示の無効は善意の第三者に対抗できないと定められています

登記に公信力がない、という原則に反する事例なので、気をつけておく必要があるかと思います。

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コメント

  1. […] 不動産登記の『公示力』と『公信力』違いがわかりますか?登記は何のためにするの?不動産投資と切っても切り離せないのは、不動産登記です。土地や建物の情報や権利関…keibaihunter. […]

  2. […] 不動産登記の『公示力』と『公信力』違いがわかりますか?登記は何のためにするの?不動産投資と切っても切り離せないのは、不動産登記です。土地や建物の情報や権利関…keibaihunter. […]

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