スポンサードサーチ
事件概要
登記に関して、珍しいケースだと思います。

本建物は、新築時から平家ではなく、2階建だと思います。おそらく司法書士が登記申請の際に誤って平屋建として申請したのではないかと思います。
なんと、司法書士のミスという陳述!

(追記)この陳述は誤りであることが判明しました。詳細は後述。
この記事では、この事件のように登記申請を誤ってしまった際の訂正、つまり『更正登記』についてまとめていきたいと思います。
最後には、私の更正登記の思い出も綴ってみました。
司法書士とは?
更正登記について勉強する前に、司法書士とはどんな立場で、何をする人なのかを確認します。
司法書士(しほうしょし)とは、司法書士法に基づく国家資格であり、専門的な法律の知識に基づき登記及び供託の代理、裁判所や検察庁、法務局等に提出する書類の作成提出などを行う。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B8%E6%B3%95%E6%9B%B8%E5%A3%AB
登記に関わる仕事なので、不動産投資をする人にとっては、非常に身近な存在ですね。
また、投資目的でなくとも、マイホームを新築したり購入したりした際にも専門的な知識をもとに登記の手助けをしてくれます。
司法書士になるためには、国家資格である司法書士試験に合格する必要があります。
試験は筆記試験と口述試験の2段階ですが、口述試験の合格率は10割と言われていますので、実質的に筆記試験の勝負となります。
筆記試験の内容は法律に関するもので、多肢択一式と記述式(不動産登記法、商業登記法)の両方です。
気になる合格率はここ10年では3%程度となかなか難しい試験だと思います。
スポンサードサーチ
訂正するには更正登記!
さて、そんなわけで司法書士というのは難関試験を突破しているわけで、登記に関しては任せておけば安心。
のはずなのですが、そうはいっても人間ですから今回の事件のようにミスがあるわけです。
そんなときには、登記の訂正をしなくてはいけません。
このように過去の登記を訂正する登記のことを『更正登記』と言います。
更正登記はややマニアックな登記なので、司法書士に頼むことが多いと思いますが、もちろん自分でもできます。

このブログは、一貫して『登記は自分でやろう』という立場です。
更正登記のためには、ほぼ元の登記と同じような書類を用意するのですが、申請書の『登記の事由』には『錯誤』と書きます。
錯誤という言葉は、日常では『時代錯誤』くらいでしか使わないかもしれませんが、民法の用語で『間違い』のことです。

大事なのは、あくまでも『間違い』であって、嘘(虚偽表示)や冗談(心裡留保)じゃないということですね。
で、もちろん更正登記には、利害関係者の承諾が必要です。
そうじゃないと、登記されている情報を勝手に書き換えられて大変なことになりますよね。
更正登記が登場するTVドラマ
ここで、余談ですけど、松本清張の小説で何度もドラマ化されている『黒革の手帖』をご存知ですか?
この間、見ていて驚いたのですが、武井咲主演のドラマ版に更正登記が登場するんです。
物語の上で大事な場面なのでネタバレしないように気をつけますが、とある不動産の売買において、新所有者の知らないところで更正登記されて所有権移転が無しになるというシーンがあります。

『錯誤だよ!さ・く・ご!』
そんな風に言われて素直に引き下がるのですが、利害関係者の承諾無しで更正登記なんてできるはずないので、これは現実には起こりえません。
ま、あくまでもドラマの演出ですね。
スポンサードサーチ
Twitterに寄せられたご意見
さて、このTweetをした後に、このような意見が寄せられました。

(ブログ公開後の追記です)
このブログを最初に後悔した時点では私もうっかりしていたのですが、今回のような階数に関する登記は、土地家屋調査士が行うので、そもそもこの陳述自体が誤りでしたね。
間違えていたとしても、本人か土地家屋調査士です。
司法書士の名誉のために念のため書いておきますが、登記のミスの全てが司法書士の責任ではありません。
多分、一番多いのは依頼した本人のミスでしょうね。
名前の漢字とか、諸々の金額とか、持分の割合とか。
あるいは登記官という法務局職員のミスというのもありえます。
筆者の更正登記の体験談
最後に、私も更正登記をしたことがありましたので、そのときの思い出をご紹介します。
初めて競売で不動産を購入した後、日本政策金融公庫の融資を受けるために抵当権を設定したとき、公庫の担当者も私も見落としていた間違いがありました。
それに気づかず、私が自分で抵当権設定登記を終えた数日後でした。
公庫の担当者から電話で『更正登記をお願いします』と言われ、『なんじゃそりゃ!?更正登記なんて聞いたことないし、ネット調べてもロクに情報が出てこないじゃない!』と慌てました。
そうこうしながらも、なんとか申請書を完成させ、公庫にも委任状をもらって、法務局に登記相談の予約の電話をすると…

更正登記?なんでそんなマニアックな登記を自分でやるんですか?
それでまたミスされたらこっちはたまったもんじゃないですよ。
司法書士の先生に頼んでください。
と対応されました。
この時点でかなり頭にきていたのですが、なんとか怒りを抑えて書類は全て揃えていることを伝えるも…

相談は受けられません。書類を受け取るだけならいいですが。
という対応。
この態度や行動は、国民に認められた権利の行使を公務員に拒否されたことに他ならないと強い憤りを感じたのですが、兎にも角にも更正登記をすることが目的ですから、とりあえず書類だけ提出することにしました。
後日、無事に更正登記が完了し、ホッと胸を撫で下ろしました。
個人的には色々な感情が入り混じった思い出なのですが、今では良い経験をできたと思っています。
とはいえ、大事なのは『そもそもミスしないこと』なので、登記の際にはしっかりと確認してから申請しましょうね!

ちなみに、登録免許税は1件につき1,000円かかるよ!もったいない!
コメント
[…] […]
はじめまして。こんにちは。
更正登記に関して、私も経験があります。
私の場合は、相続の際に登記変更を(銀行経由で紹介された)司法書士にお願いしました。
提出後、司法書士から「間違いがありましたので変更したい」との連絡を受けました。
ということで、法務局職員の「またミスされたら困る」という言葉は、私だったら「以前司法書士に頼みましたが、司法書士も間違えたので、私がやっても同じです」と言い返してしまいそうな気がします(笑)
司法書士のミスは、困りますね…。
確かに、その状況でしたら、そんな風に言い返してしまいそうです笑