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入札は一発勝負!
競売にかけられる物件について理解したら、入札の方法についても確認しておきましょう。
前回の記事で不動産競売とは「裁判所が開催する不動産のオークション」であると言いました。
オークションというと、ヤフオク!やサザビーズのような、どんどん入札されるたびに値段が上がっていくものを思い浮かべるかもしれませんが、不動産競売の場合、ちょっと違います。
封印入札方式と呼ばれる方法で、定められた期間中に入札したい金額を記入した用紙を裁判所に「封印して提出」します。
開札日が来ると、公開された場所で封印が破られ、入札者の氏名と入札金額が読み上げられます。
そして、最高金額で入札した人が、物件を落札する、といういわば一発勝負です。
この方式の難しいところは、ライバルが何人いて、何円で入札してくるのかわからないというところです。
わずかな差で負けた時なんかは、とても悔しいですし、逆にライバルがいないのに無駄に高値で入札したときも悔しいです。
1円でも入札できるの??
ここで、気になってくるのが、何円で入札したらいいのかということです。

人気のなさそうな物件だから1円で入札しちゃおー♪
そんな風に考える人がいるのかもしれませんが、実際には「買受可能価額」といういわば「最低落札金額」が定められています。
この価格を下回った入札は無効ですので、入札者が一人でも「不売」という結果で終わります。
ちなみに買受可能価額は、不動産鑑定士が評価した売却基準価格の80%程度となっています。
なお、競売物件の売却基準価格は、競売の補正として、評価額の70%程度になっていますので、買受可能価額で落札すると、
70%×80%=56%
つまり一般的な評価額の半分強くらいで購入できるということになります。
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じゃあ、一体、どれくらいで落札されているの???
これは、ある月の東京地方裁判所本庁の開札結果です。

軒並み基準価格を大きく上回る価格で売却されていることがわかります。
また、入札者数もそれなりにいることがわかりますね。
こちらは、同じ月の福井地方地方裁判所本庁の開札結果です。

そもそも入札者数が少ないですし、不売が多いですね。
当然ですが入札者数が少ない物件は、売却価格もあまり高くなりません。
これは、不動産投資全般に言えることですが、入居者を募集しやすく、市場が大きいのは東京などの大都市圏です。
ただし、そこは海千山千のライバルが多く、物件の取得価格も高くなります。
つまり利回りは下がり、投資としては美味しくない。
ところが、地方に行くと、ライバルが少なく、思わぬ安値で良い物件を手に入れられるなんてこともあり得ます。
そして、安値で手に入れば融資もつけやすいですし、利益もたくさん手元に残ります。
どちらを選ぶかは、自分次第ですが、東京一択になっていた人は、もう少し視野を広げてみてもいいのではないかと思います。
買受申出保証金について
最後に、入札する上で忘れてはいけない買受申出保証金について説明しておきます。
競売物件の情報がBITに公開されると、だいたい1ヶ月くらい後に入札期間があります。
この1ヶ月の間に、資料を読み込んだり、物件に足を運んだり、金融機関に打診をしたりできるのですが、もう一つ絶対に忘れてはいけないことがあります。
それは、買受申出保証金という売却基準価格の20%程度の金額をに裁判所に振り込んでおくということです。
大事なことなのでもう一度言いますが、「入札前」に振り込む必要があります。
この買受申出保証金は、落札者分は代金の一部に充てられ、落札者以外には、開札後速やかに返還されます。
ただし、落札したにも関わらず、期限内に代金を支払わなかった場合には没収されます。
つまり、いたずらに入札しまくったり、落札したのに代金を支払わなかったりという行動を防ぐためです。
この買受申出保証金は、入札前に振り込むものなので、金融機関の融資をアテにすることは難しいと思います。
競売物件は、融資がつかない、などと言われますが、実際にはそんなことはないと思います。
私も個人的に所有している物件はほぼフルローン出すと返事をいただいたことがあります。
ですが、この買受申出保証金に関しては、ほぼ現預金から出さないといけないと思います。
また、振込から開札後までの間は手をつけられないですから、余裕資金の中から払う必要もあります。
つまり、買受申出保証金が基準価格の20%であることを考えると、投資用の余裕資金の5倍程度の基準価格の物件までが、競売での狙い目ということになります。
- 入札書
- 入札保証金振込証明書
- 3ヶ月以内に発行された住民票(法人の場合は登記事項証明書)
- 物件情報公開後、約1ヶ月後に入札
- 保証金を忘れずに振り込む
- 入札は一発勝負
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