不動産競売の仕組みを理解しよう(4)最大の難関、明け渡しを攻略しよう

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所有権はあなたのもの、だけど、、、

さて、所有権が移転したので、晴れて物件はあなたのものになりました。

ところが、ここからが普通の売買と違うところです。

今日お伝えするのは、競売最大の難関である物件の明け渡しです。

すんなりと物件を引き渡してくれたり、あるいは空き家だったりするといいのですが、中には明け渡しを拒み、物件に居座ろうとする(前)所有者がいます。

その場合、立ち退き料を払って明け渡してもらったり、裁判所に引渡命令の申し立てをして、強制執行してもらったりと、費用や手間のかかることが待っている可能性があります。

賃借人に出ていってもらうケースも注意が必要

また、この物件を賃貸していて、賃借人に出ていってもらおうと考えている場合にも、注意が必要です。

というのも、建物明渡猶予制度というものがあり、新しい住まいを探すまで6ヶ月間は、明け渡しを猶予しますよ、ということが民法で決められています。

この点について少し詳しく説明します。

賃借人は、建物を借りる際に、この建物には抵当権が設定されていることを説明された上で借りているので、抵当権の実行によって競売がなされた際に、本来は速やかに明け渡さなくてはいけません。
※「抵当権」については、こちらの記事を参考にしてください。

しかし、住宅というのは生活に必須のもので、憲法で保障されている生存権と密接に関わっているので、新しい住まいを探すまで6ヶ月間は明け渡しを猶予しますよ、ということが民法で決められています。

そんなわけで、最長で6ヶ月間は賃借人に居座られる可能性があります。

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抵当権設定前からいる賃借人には勝てません

では、抵当権の設定前から賃借している人はどうなるのでしょうか?

この場合、もっと厄介です。

この賃借人は、競売後も、この物件に住み続けることを新しい買受人(あなた)に対して主張できます

こんな風に、他人に対して自分の権利を主張できる状態のことを法律用語では、「対応要件を備えている」あるいは単に「対抗できる」と言います。

まあ、賃借人の立場からしたら、当然のことだと思います。

きちんと契約して借りていた物件を、大家さんが後から設定した抵当権のせいで追い出されるなんて、理不尽ですもんね。

そんなわけで、競売のきっかけとなった抵当権の設定の前から賃借している人を追い出す権限が競売の買受人にはないのです。

こういう場合には、立ち退き料を支払って出ていってもらうくらいしかないでしょう。

ちなみに、賃借人がいる場合、賃借権が買受人に対して対抗できるかどうかは、物件資料に必ず掲載されていますので、絶対に見逃さないようにしましょう。

立つ鳥跡を濁さず、なんてことは期待しないで

なんとか、物件を明け渡してもらい、物件に入ると、そこにはゴミの山、、、

なんてことは競売なら覚悟しておかなくてはいけません。

ただし、ここでも注意が必要です。

残されて置いてあるもの=「残置物」についてですが、あなたが競売で落札し代金を支払ったのは、あくまでも「不動産」なんです。

つまり、家具家電などの残置物はあなたのものではありません

したがって、勝手に使うことはできませんし、ゴミ箱の中身をごみ収集車に持って帰ってもらうことすらできません

では、どうするか。

これまた前所有者と交渉です。

買い取るのか、無料でもらうのか、あるいはどちらかが処分するのか。

どうしても話がまとまらない場合、これまた裁判所に強制執行の申し立てを行います。
ちなみに、その費用は全て買受人の負担になります。

以上が、落札後の最大の難関、明け渡しの概要です。

おそらく、不動産投資の中でも競売は特に難しいと言われる所以はここにあると思います。

ここだけの話、揉めそうな前所有者は物件情報の陳述を読むとなんとなくわかります

物件を選ぶときは、明け渡しまでを念頭に考えてみてください!

今日のまとめ
  • 競売の明け渡しは、一筋縄ではいかない
  • 明け渡しを拒まれたら強制執行の申し立てを!
  • 賃借人には6ヶ月の明渡猶予期間がある!
  • 抵当権設定前からいる賃借人は最強
  • 残置物の処分については、しっかりと交渉して!
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