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事件概要
ショッキングな内容です。
真夏の8月上旬にエアコンもかけずに2週間放置された所有者とペットの犬2匹の死体。
調査報告書からも、現場の壮絶さが伝わってきます。

賃借人が安否不明のとき、どうする?
不動産を所有し、賃貸していると、必ずしも良い人ばかりに貸せるとは限りません。
素行の悪い入居者や、滞納が続いている入居者がいる場合、部屋の中を確認したい、なんて思うことがあるかもしれません。
ところが、いくら大家さんだからといって、勝手に入ると刑法上の住居侵入罪にあたります。
ただし、民法第698条に緊急事務管理という形で、例外的に入室が罪に問われないケースがあります。
管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%AC%AC698%E6%9D%A1
例えば、火事のとき。
これは、間違いなく本人の身体や財産に対する急迫の危害ですから、解錠して入室しても大丈夫です。
また、今回のような、入居者自身の急病や死亡が疑われるケースも、これに当てはまるかと思います。
ただし、実務上、大家さん一人で入るのはやめておいた方がいいでしょう。
器物損壊や窃盗など、難癖をつけられる可能性がありますので、連帯保証人や管理会社、警察などと一緒に入室したほうが、後々のトラブルを回避できます。
したがって、今回のケースの管理会社の担当者の判断は極めて妥当であったと思います。
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なぜ警察は犬の死骸を放置したのか?
さて、今回の資料を読んでいて個人的に気になった点は「警察がペットの死骸を放置した」ということです。
どうして警察は犬の死骸を放置させて異臭を長引かせたのか?
その答えは、ペットの法律上の扱いにあります。
そもそも、ペットは日本の法律上「物」として扱われます。
したがって、仮にあなたが他人のペットに怪我をさせたとしたら、あなたは器物損壊罪に問われます。

生き物なのに器物損壊なんて、おかしい!
と思う気持ちもわかりますが、あくまでも法律上の原則は「ペット = 物」です。
そして「ペットの死骸 = 廃棄物」となります。
こんな書き方をすると、警察が冷血なように思えてしまいますが、そんな訳ではありません。
担当した警察官も心が痛んだのではないかと思うのですが、警察には、ペットの死骸を持ち出して埋めてあげることができないのです。
ですから、今回も警察は所有者の死体を運び出し、おそらく司法解剖を行ったのだと思いますが、犬2匹の死骸は「放置」した、ということです。
とはいえ、社会通念上、ペットが死んだときに他のゴミと同じように処分するわけには行きませんから、一般の廃棄物と違い、埋葬などを行うことも許されています。
また、動物の愛護及び管理に関する法律や条例などにより、ペットなどの「愛護動物」と呼ばれる動物をみだりに殺したり傷つけたりしたときは、たとえ自分の所有しているペットであっても罪に問われることがありますし、一般の器物損壊よりも重い懲役または罰金となる場合もあるようです。
このように、一概に「ペット = 物」という図式が成り立つ訳ではないことも理解しておきましょう。
物件の評価額は?
なお、この件による物件の評価額の減額は、67% × 60% × 90.6% ≒ 36.4% となっております。

ここでは、不自然死の事実という心理的瑕疵に加え、清掃・弁護士費用がかかっているので、ここまで大きな減額となっています。
コメント
[…] 賃借人が安否不明 そのとき家主の取るべき行動は?事件概要ショッキングな内容です。真夏の8月上旬にエアコンもかけずに2週間放置された所有者と…keibaihunter.com2019.06.18 こちらの記 […]