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事件概要
とんだ迷惑男です。

債務者は酔うと扉を蹴る癖があるため、扉に穴が空いている
酔うと室内至る所で放尿する癖があり、数十回はしていると思う
その度ごとに掃除している

元妻が不憫に思える陳述です。
しかし、自宅で放尿するというのは、どういう心理なのでしょうか?
しかも、一度や二度ではなく、数十回と繰り返しているのです。
甘えたい心理の表れでは?

ここからは、個人的な見解で、憶測に過ぎませんが、私なりに二人の関係性を考察してみました。
この債務者の奇行とも言える行動は、おそらく元妻への「甘え」の表れでしょう。
室内での放尿は、誰がどう見ても迷惑です。
それはおそらく本人も分かっていると思います。
だから、酒を飲んでいないときにはしないのです。
では、なぜ酒を飲んだときにしてしまうのか。
かの立川談志はこのように言いました。

酒が人をダメにするんじゃない。人間がもともとダメだということを教えてくれるものだ。
誰しも、心の中で蓋をした、人には見せられない弱い部分というのがあるものです。
酒は、時にその蓋を外してしまうことがあるのです。
そして、弱い部分を見せることは、一種のカタルシスをもたらしてくれます。
カタルシス〔浄化・排泄の意〕
https://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%B9-45030
① 悲劇がもっている、観る人の心に怖れと憐あわれみを呼び起こし、その感情を浄化するという効果。アリストテレスが「詩学」で展開した語。
② 精神分析で、抑圧された感情や体験を言葉や行動として外部に表出して、心の緊張を解消すること。
③ 心の中に解消されないで残っていたある気持ちが、何かをきっかけにして一気に取り除かれること。

放尿自体もカタルシスかもしれませんが。
つまり、この債務者は、放尿という行為をすることで、心に抱えた不快感や不安感を排泄しているのではないでしょうか。
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共依存関係に注意
さらにもう一つ、今回の事件の陳述を読んで、引っかかる点がありました。
それは、元妻の「数十回に渡る放尿の度に掃除をしている」という行動です。
債務者は、放尿という迷惑行為をして、それを掃除してくれる元妻に甘えていました。
しかし、これが数十回と繰り返されたとなると、「掃除をしてあげる」という行為によって、元妻は債務者を甘えさせていたと解釈できないでしょうか?
今回の事件のことは、短い陳述から推測したものに過ぎないですが、一般的に、この債務者のように物に当たったり、家族に迷惑行為を繰り返したりする人は、そのパートナーが共依存の関係に陥っていることが多いと言われています。
共依存とは、共依存(きょういそん、きょういぞん、英語: Co-dependency)、共嗜癖(きょうしへき、Co-addiction)とは、自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存しており、その人間関係に囚われている関係への嗜癖状態(アディクション)を指す。すなわち「人を世話・介護することへの依存」「愛情という名の支配」である。共依存者は、相手から依存されることに無意識のうちに自己の存在価値を見出し、そして相手をコントロールし自分の望む行動を取らせることで、自身の心の平穏を保とうとする。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E4%BE%9D%E5%AD%98
アルコール依存症患者やDV加害者のパートナーに対して、
「あんな男とすぐに別れた方が良い」
というと必ずと言っていいほど、答えます。
「あの人には私が必要だから、今は離れられない」
このような発言に象徴されるように、共依存関係に陥っているパートナーは、その人の世話をすることで、自分自身の存在が求められる・認められることを実感しています。
そしてパートナーもまた、自分自身の存在を認めてくれる関係に依存してしまっているのです。
元妻は「債務者が室内で放尿する度に掃除をしていた」と陳述しています。
しかも数十回に渡って。
本当に迷惑していたのならば、自分自身に掃除をさせる、などの行動もあり得たはずです。
しかし、彼女はずっと献身的に債務者の迷惑行為の世話をしていました。
この行為あるいはこの関係の中で、彼女も、自分が債務者を甘えさせて(依存させて)いました。
それだけでなく、甘えさせるということによって、彼女も自身の存在意義を感じていたため、その関係をやめられなかった(依存していた)のではないかと推測されます。
共依存の関係は、断ち切るのが非常に難しいです。
そもそも、自分が共依存であることを自覚することが困難です。
この債務者と元妻は、離婚し、現在では別々の暮らしをしているようですので、ひとまずその関係に区切りは付いたのかなと思います。
共依存関係を断ち切れずにいるうちに、行動はどんどんとエスカレートし、生活に大きな支障をきたすこともあります。
この記事を読んでくれた人が、誰しもが一歩間違えると陥ってしまうかもしれない共依存の関係について、関心を持ったり、理解しようとしたりしていただけたら嬉しいです。
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